用語集

起業・スタートアップに関するキーワードをご紹介します。

自己破産

経営・事業戦略 

会社更生法とは、会社を畳むことなく、債務超過に陥った企業を再生させるための法律です。倒産手続きの一種であり、大企業の再建のために利用されるケースが目立ちます。会社更生法が適用されると、裁判所により更生管財人が専任され、更生計画の立案とそれにもとづいた企業の再建を行っていくこととなります。また、中小企業向けとしては民事再生法があります。こちらは適用後も経営陣がそのまま経営に携わることができます。 一方で、これら再生手続きは、債務がすべてなくなるわけではありません。単年度黒字の企業や、将来的に単年度黒字が見込める企業など、債務を減らすことで返済が可能な企業のみ再生を目指すことができます。赤字経営が続いてるなど返済が見込めない企業は、破産の手続きを行い、負債と資産を清算することとなります。そして法人が消滅することで、事実上債務が免除されます。法人の破産は個人が自ら破産申立をする自己破産と同じ性質のものです。

スケール

経営・事業戦略 

スケール(Scale)とは、「目盛り」「規模」「縮尺」などの意味を持つ言葉です。ビジネスでは主に事業や利益率などの規模について使われています。例えば、事業や利益率が大きくなることを「スケールする」といい、大きくならないことを「スケールしない」と表現することもあります。 またスケーラビリティ(Scalability)という言葉もよく利用されています。スケーラビリティとは拡張(可能)性といった意味を持つ言葉で、ビジネスでは利用者の増大や事業の拡大に対応できる能力のことを指します。ビジネスが大きくなっていくうちに従業員や仕事が増えていきますが、特別な人材が必要だったり大量生産ができなかったりする場合、成長に歯止めがかかってしまいます。これを「スケーラビリティがない」といいます。そのためビジネスの拡大を目指すにはスケーラビリティを考えて事業設計することが重要です。

ストックオプション

経営・事業戦略 

株式会社の従業員や役員が、定められた価格で自社株式を購入できる権利のことです。企業側が従業員・役員に対するインセンティブとして付与するもので、いわば株式で支払う賞与(ボーナス)のようなものです。例えば、今後5年間1株100円で1,000株まで自社株を購入できると定めたとします。企業が成長し1株500円になれば、1株あたりの差額が400円であるため、1,000株購入して売却すれば40万円の利益が得られます。もし将来株価が下がったり場合は、自社株を購入しなければ良いので損をすることはありません。企業には、企業が成長したほうが得られる利益が多くなるため従業員が企業の成長のためにより働いてくれるようになるほか、現金で賞与を用意しなくても良いというメリットがあります。

社労士

人事・労務 

社労士社会保険労務士とは、労働・人事・社会保険の専門家として国家資格を持つ人のことです。通称、労務士と呼ばれています。経営者の人事・労務・労働関連の法律に関する悩みの解決や、労働者の権利を守る手助けを行っています。社労士は社会保険労務法という法律により、「労働・社会保険関連書類の作成」「労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成」の2つの業務を独占的に行うことができると定められています。社労士は、従業員の採用から退職(解雇)の過程で必要となる労働・社会保険といった重要な手続きを事業主に代わって行うことができます。 スタートアップではリソースが限られているため、立ち上げ期では、国や自治体が設置している支援機関などが実施している社労士の無料相談窓口での利用や、契約など重要な手続きのみ依頼するといった形で活用されています。一般的には、就業規則の作成が必要となる従業員数が10名を超えた段階や、事業拡大のタイミングで社労士と顧問契約を結ぶことが多いようです。

税理士

税務・会計 

税理士とは、税金の専門家として国家資格を持つ人のことです。法人・個人の税金に関する悩みを解決するために仕事を行っています。 税理士は税理士法という法律により、「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」の3つの業務を独占的に行うことができると定められています。例えば、確定申告書は自分で作成しなくてはならないのですが、税理士だけは代理作成が可能です。また、経営者からは、お金のプロとして、金融機関から融資を受ける際の事業計画書の作成や、納税に関するアドバイスといった業務を依頼されることも一般的です。 他に経営相談を行う専門家として公認会計士がいます。こちらは監査・会計の専門家としての国家資格です。どちらも企業のお金に関する業務を担当しますが、税理士は中小企業の税務・会計、公認会計士は中規模から大規模の企業の会計を得意としています。

小規模事業者持続化補助金

資金調達・キャッシュフロー 

「小規模事業者持続化補助金」(持続化補助金)とは、小規模事業者の持続的な経営を実現するための経営計画を作成した上で行う、販路開拓・業務効率化の取り組みを支援する補助金です。さらに販路開拓に加えて「賃金引上げ」「卒業」(雇用増)「後継者支援」「創業」「インボイス」の5つの特別な要件を満たした者に、さらに高い補助金を交付する特別枠もあります。似たような名前の制度に「持続化給付金」がありますが、新型コロナウイルスの影響で事業継続に困っている事業者のための給付金であり、別の制度です。また、助成金や給付金は要件を満たせば原則的には交付されますが、補助金は事務局などによる審査があり、要件を満たしていても、良質な資料を提出できていなければ不採択の可能性があります。

渋沢栄一

経営・事業戦略 

渋沢栄一は近代日本資本主義の父と呼ばれています。日本史上最後の征夷大将軍である徳川慶喜の家臣で、1867年に主君の名代としてパリ万博を視察する弟・昭武と共にフランスに渡航することになります。パリ万博の視察後は昭武の留学にもお供し、ヨーロッパ諸国を周りながら、同行していた通訳で案内役のアレクサンダー・フォン・シーボルトから欧米の社会や経済システムを学びました 渋沢栄一はこの知識をもとに、日本において金融制度・株式会社制度を確立するために様々な事業仕事を行ったのです。日本で最初となる銀行・第一国立銀行(現みずほ銀行)の創業や、東京株式取引所(現東京証券取引所)の設立、東京瓦斯(現東京ガス)の設立など、500社以上の会社の設立に関わったといわれています。

資本金

起業・開業・設立 

資本金とは、企業の設立時もしくは資金調達によって株主から集めた、経営の元手となるお金のことです。企業設立後、すぐに利益が出たとしても、そのお金が振り込まれるのは数か月先になることもあります。その間にも必要なものを購入したり人件費を支払ったりしなくてはならないため、設立時の資本金は運転資金として重要な存在です。2006年の法改正によって1円から会社を設立できるようになりましたが、運転資金として必要であるため、一般的には300万円前後を資本金として用意しています。また、事業の拡大などで株主から新たに資金調達することもあります。この際に調達した資金は資本金にプラスされることになります。資本金は返済義務がないお金であり、株主が将来性を見込んで投資しているという証でもあるため、資本金の多寡はその企業を判断するひとつの材料となります。

シリコンバレー

経営・事業戦略 

シリコンバレーは、アメリカのサンフランシスコ・ベイエリアの南部、サンタクララを中心とした地域の通称です。Apple、Google、Facebookなど名だたるIT企業が軒を連ねる有名な地域です。シリコンバレーという名前は、電子部品である半導体(主原料:シリコン)を製造する企業が多数集まっていた渓谷(バレー)であることが由来です。シリコンバレーが発展していったのは、ベイエリアにあるスタンフォード大学による力が大きいといわれています。スタンフォード大学は、西海岸という土地で独立した産業を発展させていくため、ハイテク企業を誘致し大学の技術をつなげていくことにしました。また、学生や卒業生には起業を奨励し、起業する者には知的財産権の移譲も行いました。これによりシリコンバレーは横のつながりが強い地域となり、イノベーションを促すことに成功したのです。