用語集

起業・スタートアップに関するキーワードをご紹介します。

健康経営

経営・事業戦略 

健康経営とは、従業員の健康を管理することで企業全体の生産性の向上を図る経営手法のことです。 以前は従業員の健康管理は個人の責任と考えられていました。しかしブラック企業などが世間で問題となり、労災やメンタルヘルスへの対応は企業の社会的責任とする考えが広がり、ストレスチェック制度などの法律も整備されました。また、心身に何らかの不調を抱え生産性が下がった状態で仕事をしていることで多くの損失が発生することが明らかになっています。 さらには、少子高齢化によって医療費の圧迫と人材不足といった問題も大きくなっています。そのため、従業員に健康面での投資を行い、生産性を向上させたり組織を活性化させたりする健康経営が注目されています。

アーリーアダプター

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アーリーアダプターとは、流行に敏感で、自ら情報収集を行って購買を判断する消費者の層のことです。新たな商品やサービスの市場における普及率を示すマーケティング理論「イノベーター理論」で分類される5つの消費者タイプのひとつです。購買判断が早い順に「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」と並んでいます。 アーリーアダプターは、早期に新しい商品・サービスを受け入れてくれる消費者層で、機能・メリットを吟味して購買を決めるため、口コミで機能・メリットを広めてくれるオピニオンリーダーでもあります。アーリーアダプターは全消費者のうち13.5%を占め、イノベーターと合わせると16%を占めます。アーリーアダプターと次の層であるアーリーマジョリティの間には深い溝があるため、この16%を超えられるかどうかはサービス・商品の普及の分かれ目であるといわれています。そのためアーリーアダプターはマーケティングにおいて特に重視されている消費者層です。

MBO

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MBOとは、M&A(企業の合併と買収)の方法のひとつです。正式名称はマネジメント・バイアウト(Management Buyout)といいます。 MBOは、企業の経営陣が、投資ファンドや金融機関から資金調達を行い、その資金で自社の株式や事業を買い取り経営権を取得するというものです。主に、大企業において事業部門や子会社を切り離して独立させるために活用されています。 また、中小企業の事業承継においても活用されています。この場合は、代表取締役などの社内の役員に株式を譲渡することで、事業を引き継ぎます。株式を買い取る必要があるため、特別目的会社(SPC)という法人を設立し、SPC名義で資金調達してから株式を買い取ります。そしてSPCと引き継ぐ会社を合併することで事業承継が完了します。

ムーンショット

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ムーンショットとは、既存の技術やアイデアは到底成し遂げられない困難な目標ではあるものの、達成できれば大きなインパクトとイノベーションをもたらす壮大な計画や研究開発のことです。前人未到の月面着陸を目指すアポロ計画を発表したケネディ大統領のスピーチ内のフレーズを由来としています。 国内においても、破壊的イノベーションを創出するために「ムーンショット型研究開発制度」という大型研究プログラムが内閣府によって推進しされています。このプログラムでは具体的に9つの目標が掲げられており、それぞれ大学などの研究機関や企業のリソースを結集してプロジェクトが進められています。

自己破産

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会社更生法とは、会社を畳むことなく、債務超過に陥った企業を再生させるための法律です。倒産手続きの一種であり、大企業の再建のために利用されるケースが目立ちます。会社更生法が適用されると、裁判所により更生管財人が専任され、更生計画の立案とそれにもとづいた企業の再建を行っていくこととなります。また、中小企業向けとしては民事再生法があります。こちらは適用後も経営陣がそのまま経営に携わることができます。 一方で、これら再生手続きは、債務がすべてなくなるわけではありません。単年度黒字の企業や、将来的に単年度黒字が見込める企業など、債務を減らすことで返済が可能な企業のみ再生を目指すことができます。赤字経営が続いてるなど返済が見込めない企業は、破産の手続きを行い、負債と資産を清算することとなります。そして法人が消滅することで、事実上債務が免除されます。法人の破産は個人が自ら破産申立をする自己破産と同じ性質のものです。

プロトタイプ

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プロトタイプとは、いわゆる試作品のことです。ものづくりの分野では製品をつくる際の各プロセスで、製品の品質・機能・デザインに問題がないか検証するためにプロトタイプがつくられます。プロトタイプは、主にものづくり分野で利用されていた開発手法ですが、Webサービスやソフトウェア開発などのIT系やビジネス全般にも広がっていきました。 IT系では、アプリ・ソフトウェアの動きをシミュレーションを行うプロトタイプや、プロダクトの動画プロモーションなどによってユーザーに疑似体験させ、具体的な問題・改善点などを明らかにするプロトタイプなどが開発酒盗として取り入れられています。 ビジネス全般におけるプロトタイプには、ビジネスの段階やモデルに応じて様々な形があります。ビジネスの立ち上げ前後の段階では、ノートなどにアイデアの概要・価値・収益の流れなどビジネスの骨格となる要素を書き出していきます。これを基に仲間やチームと議論することでビジネスを磨き上げていきます。ある程度実現可能なプロトタイプが出来上がったら見込み客などに公開して実際に体験してもらい、顧客のリアルな声を聞きながら改良・修正を加えていきます。

IR

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IRとは、Investor Relationsの略称で、自社の経営状況や財務状況などを株主や投資家向けに提供する活動全般のことです。また、この活動で公開されている情報をIR情報と呼びます。 上場企業は法律によって有価証券報告書や財務情報の開示を義務づけられており、IRでは主にこれらの情報をベースに、経営構想や経営計画など、企業が今後どのような価値を創出していくのかを説明します。 IRの目的には、企業価値を向上させたい株主や投資家からアドバイスをもらうこと、必要以上の株価の変動を抑えること、個人投資家などのファンをつくることなどがあります。

ピボット

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ピボットとは、方向転換や路線変更という意味で使われている言葉です。特にスタートアップが当初の事業計画では行き詰まりを感じ、成長の可能性がある方向に大きな軌道修正を行ったり、まったく別のアイデアに切り替えたりすることをピボットと呼んでいます。 ビジネスは当初の計画していた通りに進むことは稀で、事業を進めながらアイデアやサービスをブラッシュアップします。このブラッシュアップの過程で、大きな可能性のある新たなアイデアを発見したり、進めているアイデアでは事業化できるほどの顧客を獲得できないと判明したりすることがあります。このような場合、企業はピボットを決断します。 ピボットした事業で大成功している例もいくつも確認できます。例えばYouTubeは、最初期は動画を利用した男女のデートマッチングサービスでしたが、利用状況を踏まえて動画共有にフォーカスしたサービスへとピボットしています。

SFA

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SFAとは、Sales Force Automationの略称です。日本語では「営業支援システム」と呼びます。その名の通り営業活動を支援するシステムやツールのことであり、国内ではデジタル化が進むにつれ導入する企業も増えています。 一般的なSFAは、顧客管理、案件管理、行動管理、予実管理、レポート管理といった機能を備えています。これらの機能によりメンバーの行動や商談の内容などを管理・蓄積し、共有・データ分析によってさらに効率的で成果をあげられる営業活動へと改善していくために活用されます。 近年は多くの業界が人手不足にあります。企業の売上を拡大させるには営業が重要ですが、スタートアップでは人材採用のリソースが不足していることが多いため、優秀な営業人材を獲得できないこともあります。SFAを活用することで、個人のスキルに依存しない営業の仕組みを確立できるため、スタートアップにとって重要なツールのひとつとなっています。

ローンチ

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ローンチとは、新しいプロダクトやサービスを市場に公開することを意味します。実際にユーザーの手に渡る販売のタイミングや、実際にサービスを利用できるようになる公開のタイミングなどをローンチと呼んでいます。 もととなった言葉は英語のLaunchで、(ロケットの)打ち上げや、(船の)進水といった意味で使われており、それが転じて(新製品の)公開の意味を持つようになりました。ほとんど同じ意味で使われている言葉に「リリース」があり、ビジネスにおいて多くの場合はローンチをリリースに言い換えても意味は変わりません。日本語で表現する場合は、開始・発売・公開といった言葉が使われます。また、リリースは、情報のリリースや新曲のリリースなど、ローンチよりも広範な意味で使われています。

スケール

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スケール(Scale)とは、「目盛り」「規模」「縮尺」などの意味を持つ言葉です。ビジネスでは主に事業や利益率などの規模について使われています。例えば、事業や利益率が大きくなることを「スケールする」といい、大きくならないことを「スケールしない」と表現することもあります。 またスケーラビリティ(Scalability)という言葉もよく利用されています。スケーラビリティとは拡張(可能)性といった意味を持つ言葉で、ビジネスでは利用者の増大や事業の拡大に対応できる能力のことを指します。ビジネスが大きくなっていくうちに従業員や仕事が増えていきますが、特別な人材が必要だったり大量生産ができなかったりする場合、成長に歯止めがかかってしまいます。これを「スケーラビリティがない」といいます。そのためビジネスの拡大を目指すにはスケーラビリティを考えて事業設計することが重要です。

ストックオプション

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株式会社の従業員や役員が、定められた価格で自社株式を購入できる権利のことです。企業側が従業員・役員に対するインセンティブとして付与するもので、いわば株式で支払う賞与(ボーナス)のようなものです。例えば、今後5年間1株100円で1,000株まで自社株を購入できると定めたとします。企業が成長し1株500円になれば、1株あたりの差額が400円であるため、1,000株購入して売却すれば40万円の利益が得られます。もし将来株価が下がったり場合は、自社株を購入しなければ良いので損をすることはありません。企業には、企業が成長したほうが得られる利益が多くなるため従業員が企業の成長のためにより働いてくれるようになるほか、現金で賞与を用意しなくても良いというメリットがあります。