用語集

起業・スタートアップに関するキーワードをご紹介します。

第三者割当増資

資金調達・キャッシュフロー 

第三者割当増資とは、企業の資金調達の手法のひとつで、特定の第三者に新たに発行する株式の購入権利を付与する増資のことです。第三者の多くは取引先企業・金融機関・自社役員・従業員などです。スタートアップなど上場していない企業でも実施できる資金調達として一般的な手法です。例えばスタートアップがベンチャーキャピタルや大企業などから資金調達をする場合、第三者割当増資としてベンチャーキャピタル・大企業に新株を割り当て、資金調達を行います。また資金調達以外にも、他企業との関係を深めることを目的に第三者割当増資を実施することもあります。 第三者割当増資には、返済の必要がない資金を手に入れられること、引受先との関係を強化できること、新しく株主となる者を自分で選べること、他の資金調達種手段と比べると手続きが比較的簡単で総数引受契約の活用で最短1日で発行できることなどのメリットがあります。

ポンジ・スキーム

経営・事業戦略 

ポンジ・スキームとは、投資詐欺(詐欺的な投資勧誘)のひとつです。集めたお金を実際には運用せず、配当金という名で還元することで投資家の信用を得てお金を騙し取る詐欺の手口です。 具体的な手口としては、月利30%といった高配当を掲げて投資家からお金を募り、お金を運用するふりをしてそのお金を配当として還元します。ただ集めたお金を横流ししているだけであるため、いつかは資金が枯渇し配当金を支払えなくなって破綻します。そのため新規顧客から出資させたお金を既存出資者に配当することで破綻を先延ばしにします。実際に高額な配当が得られるため口コミによって出資者が増えていき、そして新規顧客が減り、スキームが回らなくなってきたところで、詐欺師は雲隠れし巨額のお金を騙し取ります。 シンプルな手口ですが国内の投資詐欺において最も被害数の多い詐欺といわれています。高配当・高利回り、元本保証、一定期間出金ができないといった特徴があるため、少しでも怪しいと思った投資案件には手を出さないようにすることが肝心です。

信用保証協会

資金調達・キャッシュフロー 

信用保証協会とは、信用保証協会法に基づいて設置されている公的機関です。中小企業が金融機関から融資を受ける時に、保証人となることで借入を支援することを目的としています。 中小企業はまだ実績がなかったり、経営リスクが大きいといった信用面での課題があるため、融資を断られたり、希望した金額が借りられないことがあります。そのため信用の足りない中小企業は、信用保証協会の保証を受けて融資を申し込みます。 信用保証協会の保証の利用方法には2種類あります。 1つは信用保証協会に直接融資を申し込む方法です。信用保証協会の審査が通った場合には、協会に金融機関を紹介してもらえます。 もう1つは金融機関に融資を申し込む際に信用保証協会の保証に申し込む方法です。ほとんどの企業は金融機関経由で保証を申し込んでいます。 審査はほとんどが書類の内容で判断されます。提出する書類で最も重要なのが、保証申込書の「事業概要欄」と添付書類である「事業計画書」「経営改善計画書」です。審査では今後返済できる能力があるかどうかが重視されるため、会社の状態や事業の成長性、資金の使い道などを明確に記載することが重要です。

プロボノ

経営・事業戦略 

プロボノとは、職業上のスキルや専門的な知識を用いて行うボランティア活動のことです。ラテン語の「公共善のために」を意味する「Pro Bono Publico」が語源です。 もともとは1980年代のアメリカやイギリスの法曹界において、弁護士費用を払うのが難しい人に対し、法曹界全体で無償ので法的な支援を行ったことがプロボノのはじまりといわれています。 国内では プロボノの推進活動を行うNPO法人が2010年をプロボノ元年と定義してPR活動をはじめ、NHKに取り上げられています。2011年の東日本大震災によって注目が高まり、それ以降、金融・営業・マネジメント・広告・クリエイティブ・ITなどさまざまな領域のプロフェッショナルが、自身の本業の延長としてボランティア活動に参加することが増えています。 プロボノのメリットとしては、自分の得意分野で社会貢献できる、スキルアップにつながる、人脈を広げられる、自分の力量を見極められるなどが挙げられます。

信用組合

資金調達・キャッシュフロー 

信用組合は、中小・小規模事業者や生活者のための金融を担う、地域密着型の金融機関(コミュニティバンク)です。正式には信用協同組合といいます。 利用者である中小・小規模事業者や生活者が組合員となり、相互扶助によって預金・融資などの金融サービスを提供することを特徴としています。 また、同業種の人たちで構成される信用組合や、同じ職場に勤務する人を組合員とする信用組合もあります。 信用組合と同様に、相互扶助を目的とした地域密着型金融機関として信用金庫があります。 信用組合と信用金庫の違いは、根拠法と会員(組合員)資格の違いです。信用金庫のほうがより資本金の多い企業も会員として受け入れています。 また、預金については信用金庫は制限がなく誰でも受け入れていますが、信用組合は原則的に組合員のみを対象としています。

オープンイノベーション

起業・開業・設立 

オープンイノベーションとは、積極的に外部と交流し、社内外の技術・アイデアなどのリソースをかけ合わせて新たな社会的価値を創造する取り組みのことです。 近年は著しい技術革新とグローバル化により、プロダクトやサービスが提供されてから需要がなくなり市場から消えるまでのサイクルが短くなっています。ひとつの企業・組織内だけでイノベーションを起こそうとすると、この市場の変化スピードについていけないため、外部のリソースを活用する必要性が出てきました。その方法のひとつがオープンイノベーションです。 大企業はオープンイノベーションの取り組みの一環として、協業できるスタートアップなどを公募するオープンイノベーションプログラムを開催しています。スタートアップは大企業の豊富なリソースを活用できるため、アイデアの事業化を加速させられます。

中小機構

支援プログラム・団体・機関 

中小機構は、正式名称を独立行政法人中小企業基盤整備機構といい、地域の自治体・支援機関・政府系機関と連携して中小企業の成長を支援する機関です。 特に中小機構が運営する中小企業向けの共済である「小規模企業共済」と「経営セーフティ共済」は多くの企業が加入し、そのメリットを享受しています。 「小規模企業共済」は、経営者が退職金の代わりとして加入することが多い共済制度です。月1,000円から7万円まで積立でき、その全額が所得控除の対象となります。また、現在までの掛金残高の範囲内で貸付を受けられ、いざという時に迅速に事業資金を調達できます。 「経営セーフティ共済」は、取引先が倒産し、売掛金の回収が困難となった場合に備えるための共済制度です。取引先の倒産時にすぐに借り入れることができるため、連鎖倒産を防ぐことができます。また、掛金は掛け捨てではなく、12カ月以上納付していれば掛金総額の80%以上が戻ってきます。

スピンオフ

経営・事業戦略 

ビジネスにおけるスピンオフとは、企業・組織から一部の事業部門を切り離し、独立させることを意味します。通常、事業部門を切り離すと、切り離したぶんの事業部門の価値だけ株価が下がり、株主に損失が発生する可能性があります。しかし、スピンオフで設立した子会社の株式を親会社の株主にすべて分配するため、株主に損失が発生することはありません。 スピンオフは、ベンチャー企業が大きくなった組織をグループ企業として再編する場合や、大企業がリスクの高い新たな事業に取り組む場合に利用されています。 また、親会社との関係が薄い、もしくは関係がない別会社を設立することをスピンアウトと呼んで区別しています。 スピンオフやスピンアウトと似た意味の言葉にカーブアウトがあります。スピンオフと同じく企業・組織から一部の事業部門を切り離し独立させることを指しますが、外部のファンドや金融機関からの資金調達を伴う点がスピンオフと異なります。

予定納税

税務・会計 

予定納税とは、いわゆる税金の前払い制度です。確定申告により計算された所得税が15万円を上回った場合、翌年の所得税の一部をあらかじめ納付するものです。対象の事業主には、対象の年の6月15日までに、税務署から「予定納税の通知書」が送られてきます。この通知書に従い、7月と11月の期限までに指定された金額をそれぞれ納付します。事前に手続きをしておけば口座振替も可能です。 複数回に分割して納付しなければならないという手間はありますが、1年分の税金を分割して支払うことができるため、納税の負担を分散させることができるというメリットがあります。 所得税以外にも、消費税や法人税についても、負担を軽減するためあらかじめ納付する制度があります。こちらは中間申告・中間納付と呼ばれています。

ランニングコスト

経営・事業戦略 

ランニングコストとは、設備や建物をの維持するために必要となる費用のことです。運用費・運転費・経営費などと呼ばれることもあります。 例えば自動車(社用車)。自動車を利用するためにはガソリン・車検・メンテナンス・保険などが必要となり、このガソリン代やメンテナンス費用など継続してかかってくる費用をランニングコストといいます。一度の出費は大きくないものの、設備や建物を利用している限り発生するものであるため、どんどん費用が積み重なっていきます。そのため、後々予算不足になってしまわないよう、あらかじめ計算することが肝心です。 ランニングコストの対義語であるイニシャルコストもビジネスではよく利用される言葉です。イニシャルコストはいわゆる初期費用のことです。設備の購入費や事業をはじめる際に必要となる費用など、一度だけかかってくる費用をイニシャルコストと呼びます。

IRR

経営・事業戦略 

計算、計算方法、関数 IRRとは、Internal Rate of Returnの略語で、日本語では内部収益率といいます。投資判断のための重要な指標のひとつで、簡単にいえば、投資期間内の利回りがいくらになるかというものです。得られたお金を再投資する場合、早期に得られたお金のほうが生んでくれる収益が多くなるため価値が高くなります。このお金の時間的な価値を考慮した指標がIRRです。 事業の成長のためには事業への投資が必要不可欠であるため、投資判断は経営において重要なものです。そのためIRRなどの指標を利用して意思決定を行います。 IRRの計算は投資期間が長ければ長いほど複雑になります。しかしエクセルなど表計算ソフトではIRRの計算方法として専用の関数が用意されているため、このIRR関数を使うことで簡単に計算できます。

クラウドファンディング

資金調達・キャッシュフロー 

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて広く資金調達する方法のことです。クラウドファンディングのやり方としては、HPやSNSなどを使って人びとから資金を集めることも考えられますが、お金の収集やプロジェクトの管理などが煩雑であるため、専用のプラットフォームを利用することが一般的です。 クラウドファンディングは、主に「購入型」「寄付型」「株式投資型」「融資型」の4つに分類されます。購入型は、作りたい商品をプロジェクトとして立ち上げ、その商品を求める人から資金を集め、その見返りとして実際の商品を渡すというものです。 寄付型はその名の通り、広く寄付を募るクラウドファンディングです。主に社会活動などで利用されています。 株式投資型は、未上場企業が株式を発行し、広く個人投資家から株式に応じた資金を調達するものです。融資型は、個人投資家から資金を集め、事前に設定した条件に応じて個人投資家に利息を支払うというものです。