用語集

起業・スタートアップに関するキーワードをご紹介します。

BtoB

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BtoB(Business to Business)とは、企業と企業の取引のことで、B2Bと書かれることもあります。他の取引形態としては、企業と消費者の取引であるBtoC、消費者と消費者の取引であるCtoC、企業と消費者の直接取引であるDtoCがあります。DtoCはD2Cと書かれることのほうが多くなっています。 BtoBは、飲食店と八百屋の野菜の売買や、企業が必要なクラウドサービスを契約したりすることを指します。BtoCは、私たち個人が八百屋から野菜を買ったりすることを指します。 D2Cは、企業が企画・開発・製造のすべてを担い、ネット通販(EC)などで消費者に直接商品やサービスを届ける手法のことを指します。BtoCでは消費者に商品・サービスを届けるまでに他の事業者(流通など)が間に挟まることが多いため、これと区別しています。

KPI

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KPIとは、Key Performance Indicatorの略語で、企業・組織が設定した目標を達成するための指標のことです。日本語では「重要業績評価指標」といいます。KPIを正しく設定することで、目標達成のための取り組みがどれだけ実を結んでいるのかを把握できるようになります。例えば、営業の場合ではアポイントメントを獲得した件数・成約率・売上高などが、製造業ではラインの稼働率・不良率などがKPIにあたります。 また、KPIに関連して、KGI(Key Goal Indicator, 重要目標達成指標)というものがあります。こちらは年間売上など最終的に達成したい目標を定めます。KPIを達成していくことで、最終的に目標であるKGIが達成されるということになります。"

IPO

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IPOとは、Initial Public Offeringの略語で、日本語でいう「新規公開株」・「新規上場株式」のことです。つまり新規上場し、不特定多数の投資家に株を公開するということです。株式会社は上場前から株式を知り合いの投資家やVCなどに売却することで資金調達を行うことがありますが、上場することで不特定多数の投資家に売却できるようになるため、より多くの資金を集めることが可能となります。また、上場にあたっては厳しい審査をクリアする必要がありますし、上場後は決算書など企業の情報を開示する義務があるため、信用度・信頼性が高まるというメリットがあります。 一方で、株主の意向を反映した経営をしなくてはならないことなどから、経営方針によりIPOを行わない企業も多く存在しています。2022年6月2日時点の上場企業は合計で3,821社、株式会社の数は約250万社なので、上場企業はほんの一握りであることがわかります。

渋沢栄一

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渋沢栄一は近代日本資本主義の父と呼ばれています。日本史上最後の征夷大将軍である徳川慶喜の家臣で、1867年に主君の名代としてパリ万博を視察する弟・昭武と共にフランスに渡航することになります。パリ万博の視察後は昭武の留学にもお供し、ヨーロッパ諸国を周りながら、同行していた通訳で案内役のアレクサンダー・フォン・シーボルトから欧米の社会や経済システムを学びました 渋沢栄一はこの知識をもとに、日本において金融制度・株式会社制度を確立するために様々な事業仕事を行ったのです。日本で最初となる銀行・第一国立銀行(現みずほ銀行)の創業や、東京株式取引所(現東京証券取引所)の設立、東京瓦斯(現東京ガス)の設立など、500社以上の会社の設立に関わったといわれています。

パーパス

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パーパス(Purpose)とは、一般的には「目的」や「意図」などと訳されている言葉です。ビジネスでは経営戦略やブランディングにおいて「存在意義」「存在理由」という意味で使われています。近年、世界は気候変動、食糧問題、人権問題など大きな問題を抱えています。企業は社会に大きな影響を及ぼす存在であるため、こういった問題と無縁ではいられません。そのため社会における自社の存在意義、つまりパーパスを明確にして外部・内部に発信することが重要となっています。また、パーパスと似たものに、ミッション・ビジョン・バリューがあります。こちらも企業の指針を明確にするもので、ミッションは「果たすべき使命」、ビジョンは「目指すべき理想の姿」、バリューは「ミッション・ビジョンを実現するための思考・行動の指針」です。これら企業理念は会社が目的を持って活動していくために重要なものと考えられています。

MVP

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MVPとは、Minimum Viable Productの頭文字をとった略称で、日本語では「実用最小限の製品」という意味です。MVPは、顧客に価値を提供できる必要最小限の機能を持ったプロダクトを提供し、顧客のフィードバックを得て、それをプロダクト開発に活かすという考え方・手法です。エリック・リース『リーンスタートアップ』というビジネス書で紹介され注目を集めています。MVPを実践すると最小限のコストで市場に参入することができます。市場の反応を分析することで、プロダクトの検証や、将来必要となる機能を見定めたり、顧客のニーズに合わせた機能を素早く追加していくことが可能となります。また、早期に市場に参入することができるため、他社よりも優位な立場を確立できる可能性もあります。

シリコンバレー

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シリコンバレーは、アメリカのサンフランシスコ・ベイエリアの南部、サンタクララを中心とした地域の通称です。Apple、Google、Facebookなど名だたるIT企業が軒を連ねる有名な地域です。シリコンバレーという名前は、電子部品である半導体(主原料:シリコン)を製造する企業が多数集まっていた渓谷(バレー)であることが由来です。シリコンバレーが発展していったのは、ベイエリアにあるスタンフォード大学による力が大きいといわれています。スタンフォード大学は、西海岸という土地で独立した産業を発展させていくため、ハイテク企業を誘致し大学の技術をつなげていくことにしました。また、学生や卒業生には起業を奨励し、起業する者には知的財産権の移譲も行いました。これによりシリコンバレーは横のつながりが強い地域となり、イノベーションを促すことに成功したのです。

キャピタルゲイン

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キャピタルゲインとは、株式や債権など保有している資産を売却することで得られる利益のことです。たとえば、買った時に50万円だった株式が、売る時に100万円になっていたら、差額の50万円の利益を得られたことになります。反対に買った時よりも株価が下がった時に売れば損失となり、これをキャピタルロスと呼びます。ベンチャーキャピタル(VC)は、まだ上場していないベンチャー企業の株式を取得し、将来上場した時に株式を売却して得られるキャピタルゲインによって収益をあげています。また、株式・債権・不動産などの資産は、保有していることで安定的・継続的に受け取れる利益であるインカムゲインというものもあります。株式では配当金、不動産では家賃収入がインカムゲインにあたります。

CRM

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CRMとは、Customer Relationship Managementの略称で、日本語では「顧客関係管理」といいます。顧客情報をひとつの場所に集めて管理することで、顧客ごとの最適な対応を実現し、良好な関係を築いていくという取り組みを意味します。また、この取り組みを実現するためのシステムやツールのこともCRMと呼んでいます。CRMは近年重要な経営戦略のひとつとして認識されています。製品・サービスで溢れかえり、競合する製品・サービスが多い市場では、差別化戦略だけでは売上を向上させることは困難となっています。そのため、顧客と良好な関係を築き、企業・ブランドへの好感度を高めることで、購入率を向上させたり、口コミによるマーケティング効果を狙うという顧客戦略が注目されているのです。

イグジット

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イグジット(EXIT)とは、企業の創業者・ファンド・投資会社などが、所有する株式をM&A(売却)したり、IPO(上場、株式公開)したりすることで利益を得る出口戦略のことです。ハーベスティング(収穫)とも呼ばれます。起業したばかりのスタートアップは、まだ展開する事業がどのような利益をもたらすのかわからない状況にあるため、企業としての価値も低く、未公開株式の株価も高くはありません。そのためVC(ベンチャーキャピタル)などのファンドは、この未公開株式を買い、将来価値が向上した時に株を売って利益を得るというハイリスクハイリターンな投資を行っています。非上場の株式を売却することは難しいため、起業家はファンドからの出資を希望する場合は、将来M&AするのかIPOするのか、といったイグジットを明確にすることが重要なのです。

M&A

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M&Aとは、合併と買収(Mergers and Acquisitions)の略語で、資本の移動を伴う企業の合併と買収を意味します。国内ではバブル崩壊後、力があるものの経営不振に陥る企業が増加しました。海外企業はM&Aという手法でこの企業を次々と買収していったことから、M&Aには身売りというイメージがついてしまいました。しかし近年は国内企業同士のM&Aが増えイメージが向上し、中小企業においても現実的な経営戦略のひとつとして定着してきています。たとえば、M&Aによる事業承継がそのひとつです。中小企業では後継者問題が深刻化していますが、M&Aでは社内風土の変更や従業員の解雇を伴わずに、別の経営者に会社を引き継ぐことができます。国・自治体は力のある中小企業が後継者不足を理由に廃業してしまうことを問題視しており、自治体などによるM&A支援も広く展開されるようになってきています。